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非営利性と公共性

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非営利性と公共性の原則

 地域医療の担い手であり、「国民の健康の保持に寄与すること」が期待されている医療法人は、制度創設以来、その運営に非営利性と公共性が求められています。
 平成19年の第5次医療法改正によりその傾向はますます強化されたといってよいでしょう。

 非営利性および公共性の達成のために医療法人に対しては医療法の規定や行政指導によってさまざまな規制が加えられています。その反面、公益法人のような税制優遇が認められているわけではありません。

1.医療機関の開設に関する規制 
  監督官庁は、個人・法人を問わず営利を目的とした医療施設の開設を否定しています。

 (医療法抜粋※)

第七条  病院を開設しようとするとき、医師法第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者及び歯科医師法第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者でない者が診療所を開設しようとするとき、又は助産師でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては、その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで、第十二条、第十五条、第十八条、第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。 

4 都道府県知事又は保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長は、前三項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく厚生労働省令並びに第二十一条の規定に基づく都道府県の条例の定め要件に適合するときは、前三項の許可を与えなければならない。

5 営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。

 ※条文に一部省略があるので原文を参照のこと
 ※「
でない者」には医師(歯科医師)でない個人の他、各種法人も含まれる。

 医療法人は営利を目的とした法人ではありませんので、通常は第5項の理由によって開設許可が下りないことはまずありませんが、医療法人の役員・社員の大多数が特定の取引先営利企業の役員を占めている場合などは許可が下りない可能性もあります。




 2.剰余金配当の禁止
  医療法人は株式会社等の営利企業と異なり、内部に蓄積された収益(剰余金)を社員や出資者に配当することができません(第54条)。
 監督官庁ではこの「配当」の定義については決算時の議決による配当に限定せず、以下の行為についても「事実上の配当」と解釈して是正の行政指導を行います。

 剰金配当と解釈される行為の例

・役員等の住居、私用スペース、駐車場を「社宅」として地代家賃を支払う
・医療法人から役員への金銭貸付(「短期貸付金」)
・役員等の経営する営利企業との経常的取引
・医療法人が役員等の個人的な借り入れの保証人となる
・医療法人が保険会社と、役員等を被保険者とする生命保険契約を結び、受取人が医療法人でなく役員等個人となっている。



 3.収益活動の禁止
 医療法人の業務範囲は法律によって決められています(第42条)。
「本来業務」とされる医業の他は都道府県知事の認可を受けて行う「附帯業務」に限定されており、社会医療法人の認定を受けている場合を除いて、不動産賃貸などによる収益活動は全面的に禁止されています。
 前述の「事実上の配当」と同様に、業務範囲の逸脱に関しても監督官庁による是正の行政指導が行われます。

 業務範囲の逸脱とされる行為の例

・金銭の貸付(ただし従業員への福利厚生の一環として行う場合は可)
・土地、建物の賃貸(無償の使用貸借であっても不可)
・株式、FX等の運用(利益を上げなくとも、保有のみで指導の対象)
・物品の販売、食事の提供(ただし病院のように入院施設がある場合は見舞人や付添人の便宜を図るため「付随業務」として認められ得る)



 4.議決権・社員資格への規制
 医療法人の最高議決機関を構成する社員、評議員については、自然人であることが条件とされており、会社のような法人は医療法人の社員・評議員になれません(非営利法人であっても同様です)。
 次に議決権ですが、社員総会・評議員会での議決権は必ず「一人一票」となります。出資の多寡によって議決権の数を変える旨の定款の定めは無効となります。
(そもそも出資は社員・評議員となるための条件ではありません)
 
 つまり会社等の法人が出資をしたとしても社員資格が得られないため、退社時の持ち分払い戻しが出来ず、出資のメリットが発生しません。ただし、医療法人解散時の残余財産権の分配請求権は法人であっても認められています。

 これらの規制により、営利企業が多額の出資により議決権を持ち実質的に医療法人を支配することが難しくなっています。


 5.「事業報告書等」の提出・閲覧開示の義務
 平成19年の第5次医療法改正により、全ての医療法人は、理事が作成した「事業報告書等」を監事の「監査報告書」と合わせて毎会計年度終了後3か月以内に都道府県知事に届出しなければならなくなりました(第52条)。
 また、この「事業報告書等」「監査報告書」は、定款(寄附行為)とともに法人の各事務所に備え置き、社員・評議員・債権者から閲覧の請求があった場合は、原則的に開示することが義務付けられています(第51条の2)。

 さらに、各都道府県知事に提出された「事業報告書等」と「監査報告書」は
誰でも閲覧することができます。(第52条)「事業報告書等」には財産目録、貸借対照表、損益計算書が含まれているため、いわゆる「一人医師医療法人」のドクターにとっては、(書き方にもよりますが)きわめて重要な情報が開示されることになります。


 6.「出資持分」制度の廃止
 これも平成19年の第5次医療法改正による改正点です。従来の社団医療法人は、定款の定めに従い、出資社員の退社時、または医療法人の解散時にその「出資持分(出資割合)」に応じて金銭の払い戻しを行うことが認められてきました。
 このため、退社時の払い戻し金目的の出資者が社員の大多数を占めるという医療法人が増加し、「医業経営の非営利性が保たれない」との批判が相次ぎました。

 これを受けて、平成19年の改正医療法施行後に申請された医療法人については、定款に社員退社時の「持分」払い戻しに関する規定を入れることができなくなり、解散時の残余財産についても国や地方公共団体、医師会などに帰属することとなりました。 
 このような医療法人社団のことを一般に「持分なし医療法人社団」「新法の医療法人」などと呼び、
現在も社団医療法人はこの形態でしか設立することが出来ません

 なお、既存の「持ち分あり医療法人社団」については「経過措置型医療法人」として法改正後も存続可能で、出資者の持分に応じた財産請求権は保護されています。
 ただし、定款を変更し「持分なし医療法人社団」になった場合には「経過措置型医療法人」への移行(後戻り)は出来なくなります。

「出資持分」制度の廃止により、医療法人の非営利性は強化されましたが、反面、経営のガバナンスや大規模かつ統一的なグループ運営においては不利となる部分もあり、「出資持分」制度復活論も根強く残っています。

 




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厚生労働省「医療法人・医業経営のホームページ」

東京都福祉保健局・医療政策部医療安全課

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